この市場で十年を闘い抜いてきて、周りの人が高層ビルを建てるのを見てきた一方で、彼らのビルが崩れるのをただ見ているだけのこともあった。

三ヶ月で5万円を200万円に増やした人もいれば、一発勝負で屋上に寝泊まりした人もいる。この世界には神話は絶えず存在するが、必要なのはお金を守りきれる冷静さだ。

私が最初に参入した頃、誰もが犯す初心者の病——それは、誰かのコインが上がるのを見ると心が騒ぎ、遅れをとるのが怖くてチャンスを逃すことだ。高値掴みや売り時を見誤り、今日これを買い、明日あれを売る。アカウントの数字は動いているが、方向性は常に下向きだった。後になって気づいたのは、これらの一時的な利益は本当の意味での「儲け」ではなく、実際に利益を確定させてこそ意味があるということだ。

**少額資金の逆転劇は、スピードではなく戦略だ**

多くの人が「一攫千金」の夢を追い、全資金を賭けて一回の調整でゼロになる。デモ口座ならやり直せるが、実金を投入したらやり直しのチャンスはない。

真実は何か？一年の間に二、三回まともな相場を捉え、そのリズムに乗って利益を得ることができれば十分だ。毎日フルポジションで動き回ると、結局は利益を市場に返すだけになる。

**情報面？それは罠を仕掛けるための穴だ**

十年を経て悟ったのは、最も悲惨なのは単に損をする人ではなく、「情報を鵜呑みにする人」だということだ。

大きな好材料が出るたびにネットは盛り上がり、個人投資家は一斉に買いに走るが、その裏では大口資金が既に仕込み、売却計画を立てている。気づいたときには、彼らはすでに利益確定を済ませている。

**リズム感が、あなたの生存期間を決める**

相場がじわじわと陰線を引きながら下落しているときは、慌てて半山腰で買い増す必要はない。本当にパニック売りが始まると、反発はすぐに来る兆しだ。市場の感情と価格動向は常に同期していないことを理解し、それを見抜くことが学費を節約するコツだ。

**シンプルな戦術こそ長く使える**

私の十年は、実は二つの基本戦略だけで成り立っている：
- 中長期は現金を残しつつ、波動トレードを行う。安値で分散して仕込み、高値で段階的に売り抜ける。
- 短期は出来高の多い銘柄に集中し、15分足とKDJ指標を使ってリズムをつかむ。速攻で出入りし、欲張らない。

これだけだ。派手なインジケーターや玄学はもう使わない。

**損切りのタイミングでは迷わない**

多くの人が損切りできないのは、「損切り＝自分の間違いを認める」ことだと思い込んでいるからだ。でも実際は、認めなければ市場はもっと大きな代償を払わせる。

私はかつて、損切りをせずに何十万円も失った経験がある。その後、「間違ったらすぐに切る」というルールを決めた。たとえ相場が魅力的でも、資金がなければ何も始まらない。

**要は一つだけ：**
儲けは運ではなく、実行力、リズム感、自制心にかかっている。この市場は、誰が勇敢かではなく、誰が長く生き残れるかの勝負だ。

資金が残っていれば、チャンスは永遠に続く。資金を失えば、相場が十倍になろうと関係ない。

もしあなたがこの世界に足を踏み入れ、迷っているなら、焦らずまずは生き残ることを学べ。私の経験した失敗の数々は、一言で言えばあなたの役に立つかもしれない。

遅さは速さであり、安定こそ爆発の前兆だ。