ファンダメンタル分析:PERと株式選択におけるその真の価値の解読

もしあなたが過小評価または過大評価されている企業を見極めたい投資家であれば、おそらく最初に確認する指標はPERでしょう。しかし、この指標は各金融プラットフォームに表示されるもの以上に複雑であり、一見簡単に理解できるものではありません。実際にどのように機能しているのか、なぜ多くのアナリストが投資判断に不可欠と考えているのかを見ていきましょう。

みんなが確認するこの指標の裏側には何がある?

PER(Price/Earnings Ratio(利益倍率))は、株式市場における企業の時価総額と年間純利益の比率です。 つまり、現在の利益水準で何年分の利益を得れば投資額を回収できるかを示しています。PERが15の場合、完全に所有するためには15年分の利益を支払うことになる、ということです。

この指標は、BPA((一株当たり利益))、P/VC((株価純資産倍率))、EBITDA、ROE、ROAとともに、すべてのアナリストが習得すべき基本的な指標群の一部です。その重要性は、市場が将来の利益成長をどのように評価しているかを反映し、企業間の比較を可能にする点にあります。

興味深いのは、PERがケースごとに非常に異なる動きを見せる点です。例えばMeta Platformsの場合、利益が何倍にも増加している間、PERは一貫して低下し、株価は上昇していました。これは拡大中の企業が年々利益を増やしていることの反映です。しかし2022年末には、そのパターンが崩れ、PERは下がる一方で株価は下落しました。理由は、米国のテクノロジー市場がFRBの金利引き上げ圧力に直面し、利益が改善し続けていても株価が下落したためです。

実践的な計算:同じ目的地に向かう二つの道

PERの計算には二つの方法があり、それぞれの状況に応じて便利です。

方法1 - 企業全体の観点から:
PER = 時価総額 / 純利益合計

方法2 - 株式一株あたりの観点から:
PER = 株価 / BPA((一株当たり利益))

両者は、数字が比例関係にあるため、同じ結果をもたらします。必要な情報はどの金融プラットフォームでも簡単に入手できるため、PERの計算は基本的な割り算だけで十分です。

実例1:

ある上場企業の時価総額は26億ドルで、直近の会計年度の純利益は6.58億ドルだったとします。

PER = 2,600 / 658 = 3.95

実例2:

株価が2.78ドルで、一株当たり利益が0.09ドルの企業に投資を考えている場合。

PER = 2.78 / 0.09 = 30.9

これらの数字を簡単に見つける方法

信頼できる金融ポータルサイト((Infobolsa、Yahoo Finance、Google Finance))は、PERを目立つ場所に表示し、時価総額、BPA、52週レンジなどの他のデータとともに掲載しています。PERは「PER」や「P/E」と表記されることもありますが(特に米国のプラットフォームでは一般的)、指している内容は同じです。

解釈は状況次第

標準的なガイドラインは次の通りです。

  • PER 0〜10: 一般的に魅力的だが、将来的な利益の問題を示す可能性も
  • PER 10〜17: アナリストの安心ゾーン、適度な成長とバブルの懸念なし
  • PER 17〜25: 高成長の兆し、または過大評価の警告
  • PER >25: 二つの解釈:非常に楽観的な予測か、投機的バブル

ただし、この解釈はあまりに単純すぎることもあります。PERが低いからといってすべてがお買い得というわけではなく、高いからといって投機的だとも限りません。特に業界による差は大きく、例えばArcelorMittalのPERは2.58である一方、Zoomは202.49に達しています。これらはそれぞれの業界内で「正しい」数字です。

PERのバリエーション:標準的な指標だけでは不十分な場合

( シラーPER:長期的視点を拡大

従来のPERの最大の批判は、1年分の利益しか考慮していない点です。これが誤解を招くこともあります。シラーPERは、過去10年間の平均利益(インフレ調整済み)を用いて計算し、より長期的な視点を提供します。これにより、今後20年間の利益をより正確に予測できると考えられています。

) 正規化PER:会計の歪みを除去

時には、報告された利益が実態を反映していないこともあります。正規化PERは、流動資産を差し引き、負債を加え、純利益の代わりにフリーキャッシュフローを用いることで、会計の歪みを調整します。特に負債を伴う買収案件では、見かけの価格が誤解を招くこともあるため有効です。

実際の投資家のPERの使い方

バリュー投資に特化したファンドは、一般的な市場平均よりもはるかに低いPERを持つ企業を探します。例えば、国際的なバリュー投資ファンドは平均7.24のPERで運用し、セクター平均の14.55と比較して、体系的に割安な企業を選別しています。

PERは、同じ業界・地域内の企業同士を比較するツールとして有効ですが、唯一の判断基準にすべきではありません。PERが低い企業の中には、経営に不信感から倒産寸前のケースもあります。過去には、魅力的なPERを持ちながら市場から消えた企業も数多くあります。

知っておくべき制約事項

  • 一年分の利益しか考慮しないため、景気循環の影響を受けやすい
  • 黒字でない企業には適用できない
  • 現在の状況を反映しているだけで、将来の変化やリスクを考慮しない
  • 景気循環企業(建設、鉱業など)は、危機時にPERが高騰し、好況時に低下する逆の動きを見せる

PERは単独では使わない

真剣な投資判断は、PERだけに頼るべきではありません。次の指標と併用すべきです。

  • BPA: 利益が実際に増加しているか確認
  • 株価/純資産: 企業の資産価値と比較
  • ROE・ROA: 企業の収益性と効率性を測る
  • 収益とマージン分析: 利益が事業から生まれているか確認
  • バランスシートの健全性: 負債、流動性、資本構成

セクターの影響:多くの投資家が忘れがちな黄金律

銀行のPERとバイオテクノロジーのPERを比較するのは、リンゴとオレンジを比較するようなものです。産業・金融セクターは自然とPERが低く(収益性が予測しやすいため)、一方、テクノロジーやバイオは高PER(将来の成長期待)となる傾向があります。正しい分析は、「リンゴはリンゴと比較」することです。

バリュー投資とPERへのこだわり

バリュー投資家は、PERを市場の非合理性を測る尺度とみなします。特定の企業のPERが業界平均を大きく下回っているのに合理的な理由が見当たらない場合、投資のチャンスです。ただし、これは深い調査を必要とします。なぜ市場はその企業を過小評価しているのか?過剰反応か、それとも正当な評価か?

重要なポイント

PERは便利で広く利用可能な指標ですが、出発点に過ぎません。真剣な投資判断には次のステップが必要です。

  1. 同じ業界内の企業を比較
  2. 過去のPERと比較し、最高値・最低値・平均値を把握
  3. 他の財務指標と併用
  4. 企業の実態や運営状況を分析
  5. その利益を生み出す要因(事業運営や資産売却)を理解
  6. 経営陣の変化や競争環境、規制の動向を調査

PERは最初の信号に過ぎません。色だけで投資判断を下すべきではありません。 なぜその株がそのPERになっているのかを理解するために時間をかけることで、多くの投資家が見落とすチャンスを掴むことができるでしょう。

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