ビットコイン価格が半減したにもかかわらず、なぜウォレット大手Ledgerは依然として400億ドルの評価額を維持しているのか?

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ビットコイン市場は激しい乱高下を経験している。2025年10月に史上最高値の12万6000ドルを記録した後、2026年2月初旬には一時的に5万9800ドルまで下落し、最大で48%以上の下落となった。

これに対して、フランスのハードウェアウォレットメーカーLedgerは、ニューヨーク証券取引所への上場準備を進めており、評価額は40億ドルを超える見込みだ。業界の調整局面にもかかわらず、この企業はゴールドマン・サックスやJPモルガンなどのトップ投資銀行から支援を受けている。

市場の氷と火

暗号通貨市場は現在、極端な二極化の様相を呈している。一方ではデジタル資産価格が全面的に下落し、もう一方では業界のインフラ評価が引き続き上昇している。

2026年2月6日未明、ビットコイン価格は前日比で12%超下落し、60,062ドルの安値をつけた。これは2025年10月の史上最高値12万6000ドルから48%以上の下落となる。この下落は米国の金融メディアによって「2022年の崩壊以来最悪の日」と評された。

激しい価格変動により市場の「強制清算」も急増し、2月5日から6日にかけて、ビットコインのロングポジションに関わる清算額は10億9600万ドルに達し、57万人以上のトレーダーが強制的にポジションを解消された。

しかし同時期、Ledgerはニューヨーク証券取引所へのIPOを計画し、評価額は40億ドルを超える見込みだ。ゴールドマン・サックス、ジェフリーズ、バークレイズの三大投資銀行が共同でこの上場を支援している。

ビジネスモデル

Ledgerの成功の核心は、その独特な「売り手」ビジネスモデルにある。暗号資産の熱狂の中で、マイニングに関与せず、必要なツールを提供することに特化している。

このフランス企業は2014年に設立され、主にハードウェアウォレットを販売し、ユーザーがオフラインで暗号資産の秘密鍵を管理できるよう支援している。基本モデルのLedger Nano Sは79ドルで、これまでに700万個以上が販売された。

ハードウェアウォレットのビジネスの巧みな点は、その価格変動との相関性が低いことにある。ブルマーケット時には、新規ユーザーが安全に資産を保管したいと考え、買い増しを行う。ベアマーケット時には、既存のユーザーが残存資産をより大切にし、信頼できる保管手段を求め続ける。

「ビットコインが10万ドルでも3万ドルでも、手元に資産がある限り、安全な保管場所が必要だ。」この需要は市場の変動に左右されない。

成長の論理

Ledgerの評価額の上昇は、実際の事業拡大と収益の多角化に基づいており、市場の投機だけによるものではない。

2025年、Ledgerの収益は過去最高を記録し、「数億ドル」規模に達した。2024年の7000万ドル超から大きく成長している。

同社の収益構造は重要な変化を遂げており、単なるハードウェア販売からより持続可能なサービスモデルへとシフトしている。製品ラインは以下のように拡大している。

  • 入門モデルNano S Plus(79ドル)
  • 中間モデルNano X(Bluetooth搭載、149ドル)
  • 高級モデルStax(E Inkタッチスクリーン搭載、279ドル)

Ledger Liveのソフトウェアエコシステムにより、ユーザーは暗号資産の直接購入・取引・ステーキングが可能となり、同社は取引ごとに手数料を得ている。さらに、機関向けのLedger Enterpriseサービスは、100以上の顧客の資産を管理し、数十億ドル規模の資産を運用している。

セキュリティの逆説

Ledgerの成長過程は、「安全性」に関する議論や事件に満ちているが、これらの事件はむしろハードウェアウォレットの実際の価値を浮き彫りにしている。

2025年1月、Ledgerの共同創業者David Ballandはフランス中部のヴィエルゾンで誘拐された。誘拐犯は彼の指を切断し、1000万ドル相当のビットコインの身代金を要求した。

皮肉なことに、誘拐犯がBallandを見つけられたのは、2020年にLedgerで顧客データ流出事件があり、氏名や住所、電話番号などの情報が闇市場に流出していたためだ。創業者のBallandの情報も当然その中に含まれていた。

この事件は重要な現実を示している。私設の秘密鍵はオフラインのデバイスに保管されているため、ネットに接続されていなければ資産を盗むことはできない。誘拐犯は最も原始的な手段、すなわち人質に取り、被害者に資産の移転を強要するしかなかった。

業界の成熟

LedgerのIPO計画は孤立した出来事ではなく、暗号通貨業界全体の成熟の象徴だ。より多くのインフラ企業が公開市場に進出している。

2025年、暗号通貨企業はIPOを通じて合計340億ドルを調達した。ステーブルコイン発行企業のCircleは100億ドル超の資金調達を行い、取引所のBullishも同様に100億ドル超を調達した。

2026年1月、資産保管サービスのBitGoがNYSEに上場し、初日に24.6%上昇、時価総額は260億ドルに達した。米国第二位の暗号通貨取引所Krakenは、200億ドルの評価額で上半期の上場を目指している。

これらの企業の共通点は、「サイクルを超えて生き残った、実収益と監査可能な財務諸表を持ち、規制に準拠した運営体制を整えている」ことだ。これが業界の成熟を示す重要な指標である。

今後の課題

将来性は明るいものの、Ledgerは市場競争、規制圧力、そして自身のセキュリティ記録に関する課題に直面している。

主な課題は、サムスンやAppleといったテクノロジー大手による競争だ。これらの企業はデバイスに暗号通貨ウォレット機能を組み込み、基本的な保管機能を商品化しつつある。

また、Ledgerのセキュリティ記録にも瑕疵がある。2020年の顧客データ流出、2023年のサプライチェーン攻撃、2026年初の第三者決済処理業者の情報漏洩など、これらの事件は「安全性」を売りにしてきたブランドイメージに打撃を与えている。

規制環境も不確実性をもたらす。フランス企業として、LedgerはEUのMiCA(暗号資産市場規則)に従う必要がある。一方、NYSE上場に伴い米国証券法の義務も課されるため、二重の規制枠組みが同社のコンプライアンス能力を試すことになる。

まとめ

2026年2月10日、Gateプラットフォーム上でビットコイン価格が引き続き乱高下する中、ハードウェアウォレット企業Ledgerの評価額40億ドルの青写真は、すでにウォール街でゆっくりと形になりつつある。

このフランス企業の台頭は、暗号通貨業界がエッジから主流へと進化する道筋を描いている。ギーク向けの玩具から消費電子へ、単一のハードウェア販売から多様なサービスエコシステムへ、プライバシー論争から上場へと変遷してきた。価格変動が常態化する暗号の世界において、資産の安全性に対する不安は、最も堅実なビジネスモデルを築き上げている。

安全性へのニーズは、投機熱よりも永続的だ。市場の熱狂が冷めたとき、業界の基盤を支える「売り手」こそが、真のサイクルを超える勝者となるだろう。

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